「そらあみ」は参加者と共に空に向かって漁網を編むことで、人をつなぎ、記憶をつなぎ、完成した網の目を通して土地の風景を捉え直す、アーティスト・五十嵐靖晃によるプロジェクトです。これまで全国10数カ所、今年6月には遠くブラジルでも行ってきました。今回、松島では「霊場松島」の風景に浮かぶ“月”を捉まえます。
そらあみ -松島-
日本三景の1つである松島は、今は観光地として知られていますが、かつては、湾に囲まれた穏やかな海に、遥か彼方まで無数の島が浮かんだ、この世のものとは思えないほど美しい風景に、極楽浄土を見いだした多くの僧侶の修行の地でありました。また民衆にとっても極楽往生を願いに、たくさんの人が遺骨を持ち込んだ祈りの地でもありました。
そらあみを通じて見るもの
そして、この地に伊達政宗公が伊達家の菩提寺として建立した瑞巌寺の参道は、年に一度の中秋の名月がこの松島の海に昇る姿を眺められる角度にわざわざ設定されているそうです。時が流れても風景は変わりませんが、見ている人がそこから見いだすものは変わっていきます。
伊達政宗公が未来に残したかったメッセージは、さざ波に浮かぶ満月を愛でる「霊場松島」としての視線だったのではないでしょうか。完成した「そらあみ」を通してその視線を、今を生きる我々と重ねてみます。
スケジュール
- そらあみ 共同制作
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- 共同制作期間
- 期間:2014年8月14日-28日
- 時間:10時-16時
- お休み:25日(月)・26日(火)
- 場所:松島ヨットハーバー(宮城県松島公園管理事務所)
- 「そらあみ」展示
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- 展示期間
- 期間:2014年8月30日-9月9日(火)
- 場所:雄島
- 備考:地元住民のみなさんによる共同制作作品の展示です
- *松島ヨットハーバー・公園管理事務所から遊歩道あり
- そらあみ越しに満月を愛でる会
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- 日にち:2014年9月9日(火)
- 時 間:18:00-22:00
(月の出17:51、南中23:59) - 場 所:雄島、松島ヨットハーバー、瑞巌寺参道
- プロフィール
- 五十嵐靖晃(いがらし・やすあき)。アーティスト。1978年千葉県生まれ。2005年東京藝術大学大学院修了。その土地の日常に入り込み、新たな視点と人のつながりを見いだすプロジェクトを各地で手がける。代表的なプロジェクトとして、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す福岡県太宰府天満宮での「くすかき」(2010〜)や、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる「そらあみ」(瀬戸内国際芸術祭2013・六本木アートナイト2013)などを行う。
http://igayasu.com