
「つながる湾プロジェクト」は、自分たちのルーツをもう一度探ってみようと、私たちを育んできた海の文化を知り、味わい、共有し、表現するための活動です。海からの視点は、陸での発想とは異なる新しい連携を生み出し、地域力を高めます。この湾に生きるかっこよさを、海に囲まれた日本に生きるかっこよさを、きっと発見できるのではないかと思っています。
海の文化でつながっていた
海のそばで生き、海に育まれてきた
海からの視点と新しい連携で地域力を高める
豊富な漁業資源や景観など、土地のアイデンティティを活かしながら未来を描いていこうと、宮城県の海の玄関口と発展し、江戸へ食糧や物資を運ぶとともに三陸の交通の要ともなった塩釜港周辺を中心に、湾内の文化を繋ぎます。 活動地域
昔の人々の信仰心や生活感情、先人の知恵や偉業を後世に伝える言い伝え。この地域に暮らす人々や、記憶や物語を伝える術を持つ人などがSTORYTELLER(口承者)になり、この土地の物語や、先人達の知恵を語り継ぎます 浦戸諸島の小学校・中学校にて、総合学習の一環として2004年から演劇活動「ACT」という取り組みが行われています。これは、地元演劇団体の協力のもと、オリジナル脚本で描かれ、仙台白菜や若宮丸・津太夫など浦戸諸島独自の歴史や民話、風土などを盛り込み、児童生徒や島民の島への誇りを育み続けています。 演劇の題材には、文献資料として十分ではない島の説話があり、近代になり、仙台白菜や鎖国による時代背景から語られなかった津太夫(つだゆう)・左平の話など、改めて注目されています。このような島の題材を物語化することで、この地域の歩みを思い描きやすくし、次世代への地域の関心を生み出しながら、伝承活動の広がりを創出することに取り組みます。
宮城県塩釜市市街地、浦戸諸島、塩釜・松島湾域各地、宮城県北部沿岸地域ほかチームwan勉強会
勉強会では、『環海異聞』などの資料を拝見し、彼らの苦悩を想像しながら、貴重な海外情報を鎖国時代の日本に持ち帰ってきた同郷の津太夫と左平の偉業を讃えた。
(リエゾンキッチン、私立明成高等学校教諭)語り継ぎのためのリーディング
口から口へと、人から人へと 伝えていく
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種は船プロジェクトとは?
【マップを見る】-
アーティスト・日比野克彦の監修により2007年から始まった「朝顔の種の形をした船」をつくる市民参加型のアート・プロジェクト。朝顔の種の形がまるで船のようだという発想と、古代より人類が文化や文物を船に乗せて伝えて来たように、朝顔の種そのものが船となり、土地の記憶を乗せて移動し、地域と地域、人と人との交流が生まれたことを乗り物に例えたところから始まりました。2010年より三ケ年計画で、自走するFRP船「TANeFUNe」を市民の手によって造船し、2012年に舞鶴から新潟までの約970kmの距離を35の港に寄りながら81日間かけて航海。2013年夏には、宮城県塩竈市・浦戸諸島に滞在し、島同士や島と本島を繋ぎながらワークショップを実施しました。
TANeFUNe(たねふね)
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舞鶴~新潟の記憶の上に、塩釜・松島港の文脈を背負った<TANeFUNe(たねふね)>が、三陸海岸の他の湾へも赴き、湾の文化、水辺の文化の共有を試みるプログラムも展開。住民の地域への誇りを育み、新たな地域のつながりを生み、長期的な復興における文化的な足がかりとすることを目指します。
TANeFUNeで浦戸諸島近海および塩釜・松島湾内を訪問。それぞれの地域の人を乗せて航海し、交流を深め、話を聴き、ワークショップでともに作品を作ったり写真を撮り、また、地域内での文化活動やお祭りに参加・取材し、他地域へ伝える材料を収集します。
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2013年8月10日(土)〜31日(土)の間、TANeFUNeが浦戸諸島4島5地区を巡回し、島民の方の気軽な「おちゃっこ」の場として、移動カフェを開設。 船長・喜多直人が美味しい飲み物を無料にて提供するほか、TANeFUNeが運んでいる「海にまつわるエピソード」「TANeFUNeと出会った人の記憶」を提供します。
プロフィール
- 喜多直人
- 石川県金沢市出身・在住の写真家。「土地と人間の同居」をテーマに、誰かにとっては日常、誰かにとっては非日常を記録する。夜行的習性を通し、非日常を暗闇に求める人間との同居から日常を感じ考察している。TANeFUNe船長として2013年6月-9月にかけて、宮城県塩竈市に滞在しながら、浦戸諸島でTANeFUNeカフェや宝ものづくりのワークショップを行う。
アーティスト五十嵐靖晃と塩竈・浦戸諸島のみなさんによる共同制作。8月中旬から約二週間をかけ、漁網を編む方法でカラフルな糸を使い編み上げました。網を編むという古来から水辺で営まれてきた行為を通じて、参加者同士交流を図りながら、またみんなで編んだ漁網が空に向かって立ち上がる風景を一時的に出現させ、見慣れた風景をもう一度見直してもらう契機を生んでいます。完成した「そらあみ」は、TANeFUNeにかける「種衣」として次の航海へTANeFUNeと共に旅立ちます。
プロフィール
- 五十嵐靖晃
- アーティスト。東京藝術大学大学院院修了。土地に住み、そこで出会う人達と共に、普段の生活の中に新たな視点と人の繋がりをつくる試みをしている。代表作は、福岡県太宰府天満宮との協働プロジェクト「くすかき」、住民たちとともに新たな風景をつくり上げる「いろほし」「そらあみ」など。2010年から舞鶴で「種は船」ワークショップ・リーダーを務め、2012年にはTANeFUNe船長として舞鶴から新潟までの970kmを航海した。2013年8月には浦戸諸島にて「そらあみ」を実施。
- 主催:ビルドフル—ガス+一般社団法人チガノウラカゼコミュニティ、一般社団法人torindo、えずこ芸術のまち創造実行委員会
東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団) - 共催:塩竈市、塩竈市教育委員会
- 助成:公益財団法人日本財団
- 協力:ヒビノスペシャル、チームwan