鹽竈神社

神社にお参りする時に、誰でも一度はお守りに自分の未来を託したことがあると思う。もちろん、神社にはお札もあればお守りもある。そこで、復興を願う今年、今度行く時には見方が変わるかもしれないお守りの話を鹽竈神社の権禰宜である鈴木重和さんに伺った。

たくさんの願いに応えるために、そして、いつも神様を身近に感じていただくために。

龍玉守奥州一宮である鹽竈神社には日本全国からたくさんの参拝客が訪れる。神社ではお参りした上に、日常の中で神様のご加護を授かるためにお守りも用意している。お守りは毎年毎年新しいものが作られるそうだが、一体どのようにして作られているのだろう。

お守りは一体二体と数えるのが本当で、文字通り一つ一つに神様の心が宿っているというわけだ。今年は辰年なので、『龍玉守』と称した、巾着の中に龍の持つ玉を入れたものも新しくお目見えした。「龍の持つ玉は、願いを叶える力があるという言い伝えがあります。正式には龍玉と書いて「りゅうぎょく」と読みますが、「りゅうぎょくまもり」とは言いづらいので「りゅうまもり」と、親しみやすい名前にしました。もちろん御祈祷して、「しおがまさま」のお力を持って諸願成就を祈願するということで、若い方から、年配の方まで幅広くご好評いただいております」

また『還暦厄除守』というのも今年のお守りで一時品切れになってしまうほどの人気ぶり。「このお守りは、手の込んだ特別な織りをしているものですから、ほかのものより時間がかかってしまうんですね。神社では、奉製(縫製ではなく)というのですが、特別な奉製をしたお守りです」

昔から安産のご利益があるとされる鹽竈神社。“何事もウマくいく”お守りは毎年大好評。

うまくいくお守また、鹽竈神社のご祭神は安産の神様として有名なだけに。安産のお守りは特別なものを用意しているそうだ。「普通の巾着のお守りだけではなく、小さいお札や、召し上がっていただく米や塩、それから腹帯に一緒に巻いていただく紅白のサラシ、それと“鈴乃緒”という麻の紐、これは、御殿の鈴を鳴らす為の麻紐に祈願を込めてということと同じ意味合いなんです。やはり、安産祈願といえば“しおがまさま”ですので、それに相応しいお守りをということでご用意しています」

新しいお守りもいいが、やはり鹽竈神社といえば大人気のお守りがある。何事もうまくいく『うまくいくお守』がそれ。「これは、馬の蹄が9個ついているもの。総じて“うまくいく(九)”という洒落ですね(笑)代々鹽竈神社には御神馬が仕える習わしがあり、それにちなんだものです」鹽竈神社はお守りとお札、全部合わせて80種類くらいあるそうだが、その中でもこの『うまくいくお守』は万能なお守りということでたくさんの人に愛されている。

いつもそばに神様のお力を。日本人らしい心持ちを大切にしてほしい。

鹽竈神社お札も受けられる方が多いそうだが、ここは鹽竈神社と志波彦神社の二社があるので、それぞれお参りして両方のお札を受けていかれる方がほとんど。ここにお参りする人は、様々な願いを携えてやってくる。家内安全商売繁盛のほか、やはり海の神様だけに海上安全大漁満足など。鹽竈神社が港町塩竈の街の隆盛と港の繁栄を一森山の上から見守ってきたという安心感、そして地元市民が一年を通して感謝を表す象徴。その「しおがまさま」の姿に人々は願をかけるのではないだろうか。

鈴木さんはお守りやお札を授与する上で、これだけはお伝えしたいということがある。「これは、鹽竈神社に限らず、どこの神社でも同じことですが、お参りをして、御利益をお守りやお札からいただくということはとても、日本人らしい心持ちです。その御利益をいただいて、その1年もしくは今後の生活を、神様の力をもって感謝の気持ちを忘れず、健やかに幸せに暮らしていただきたいと切に願っています」

鹽竈神社

  • 鹽竈神社
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  • 安産守
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  • 安産祈願
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  • 安産お守り
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  • うまくいくお守
    うまくいくお守
  • 海上安全
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  • 志波彦神社
    志波彦神社
  • 還暦厄除守
    還暦厄除守
  • 還暦厄除守
    還暦厄除守

おふだ・お守り

  • うまくいく守 800円
  • 安産絵馬 600円
  • 還暦厄除け守 1,000円
  • 龍玉守 800円
  • 志波彦神社お札 1,000円
  • 鹽竈神社お札 1,000円
  • 鹽竈神社商売繁盛板札 1,500円
  • 鹽竈神社海上安全板札 1,500円
  • 安産守 2,000円

Text:落合次郎 Photo:大江玲司 取材日:2012年1月12日