マリンゲート塩釜の向かいに、2012年5月にオープンした「ピッツェリア・ラ・ジータ」は、薪窯で焼く本格ナポリピッツァのお店。自分たちのお店を持つ際に選んだのがこの塩竈。早くも舌の肥えた塩竈の人々の心をぐっとつかんだようだ。
港町ナポリと同じような、海に近い雰囲気が気に入りました
ご主人の佐沢健太郎さんは県内の小牛田町(現美里町)出身。奥さんの桃子さんは群馬県出身。縁もゆかりもないこの塩竈にお店を持ったきっかけはというと・・・。
健太郎さん「海の近くが絶対条件でした。ナポリ料理、ナポリピッツァがメインのお店をやろうと決めていたので、ナポリのような港町と同じロケーションにしたかったんです。市場に近いことは魅力で、新鮮な魚介類が手に入りやすいので、お客さまに美味しいものが出せるのではないかと思いました」
健太郎さん「震災後、ほかの町にも物件を探しに行きましたが、やっぱり塩竈は片づけのスピードが速かったように見えました。一目見て物件もロケーションも気に入って、塩竈に呼ばれているように感じました。また、今年、初めてみなと祭りを見たんです。本当にものすごくいいお祭りで、塩竈の元気さが伝わってくるようで、すごく感動しました」
お店を持とうと思ったきっかけの出来事
そもそも、お二人はなぜお店を持とうと思ったのだろう。それは、旅の途中に訪れた一軒のピッツェリアがきっかけだったと話す。
健太郎さん「僕たちの夢はゲストハウスを作ることなんです。2人で長い旅をしていた頃、タイのとある島の浜辺に1軒の小さいピッツェリアがあったんです。イタリア人の方が、現地の人と結婚して開いていたのですが、そこは、2階が泊れるようになっているゲストハウスでした。海水浴場からすぐなので、海から上がったお客さんが、砂だらけでどんどん入ってくる。まさに、世界中の人がそこで食べてるんですよ。その光景がすごく忘れられなくて」
桃子さん「大人も子供も、若い人もお年寄りも、現地の人も外の人も、もう関係なくみんなごっちゃになって、ピッツァを頬張っているんです。それで『ああ、こんな店ができたらいいなぁ』って思ったんです」
その後帰国し、お二人とも料理人の仕事についた。そして最終的なゲストハウスという夢を掲げ、まずは自分たちの店を持つというところからスタートしたのだ。
二人三脚で店を切り盛り、美味しいワインも楽しんでほしい
オープンして半年。若い人から年配の方々まで幅広いお客さまがお店を訪れる。2人ともソムリエの資格をもち、基本的に、奥様が厨房でピザを焼き、ご主人は主にホールを担当する。
そして、おいしいピッツァにはワインは欠かせない。
健太郎さん「南イタリアのおいしいワインを取りそろえています。ワイン好きの方に、ぜひ来ていただきたいですね」
この場所で、家族3人で、そして塩竈の人たちと楽しく暮らしていきたい
塩竈はお二人にとって初めての土地。実際住んでみて、人が温かくて、皆さんに親切にして頂いていると健太郎さんは語る。「お祭りをはじめ、いろいろな塩竈に触れてみて、ここから見える夕焼けや夜景もナポリのことを思い出させてくれます。」
健太郎さん「ゲストハウスはまだまだ先かもしれませんが、今は、このお店を続けていくことが挑戦です。あとはもうすぐ生まれる子どもと一緒にどんな生活をしていけるのか、それが楽しみですね。これからもっと、塩竈の街と人々と、深い付き合いになっていくと思います。家族・お店ともどもよろしくお願いします」。
text:落合次郎 photo:大江玲司 取材日:2012年11月12日
プロフィール
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- Pizzeria La Gita (ピッツェリア・ラ・ジータ)/佐沢健太郎さん・桃子さんご夫妻
- 薪窯で焼くナポリピッツアの専門店。「マルゲリータ」や「シチリアーナ」など本格ピッツァが揃っています。塩竈の仲卸市場で買い付けた新鮮な魚介を使ったアラカルトメニューも充実。
- 住所 :宮城県塩竈市港町1丁目6-10 【マップを見る】
- 電話 :022-364-1774
- 駐車場 :5台
- アクセス:マリンゲート塩釜向かい、JR本塩釜駅より徒歩7分
- 営業時間:11:30-14:30【ランチ】/17:30-21:00【ディナー】
- 定休日 :月曜日
- メニュー:ランチ/ピッツア6種類より1枚・ドリンク・サラダ付き 1,200円
ディナー/ピッツア16種類(900円〜)、一品料理も充実
南イタリア産中心のワイン(グラス500円~)
パーティープラン:4名様より(要予約)/サラダ・前菜5点、ピッツア2種類・ドルチェ・コーヒー 2,500円
※パーティープランに追加で飲み放題(90分 1,500円、120分 2,000円/各1名)もございます。お気軽にお問い合わせください。