土井精菓

コーヒーロールとレモンパイ。クチコミで広がり、今や午前中で売り切れることもあるという人気ぶりだ。創業62年。長男の土井忠さんは2代目で、創業当時からの製法をかたくなに守り味を守り続けている。

お客様の「美味しかった」の一言があるからまた頑張れる。

土井精菓「もともと、うちの父親(長男の清吾郎)は進駐軍で働いていました。そこでアメリカ人にお菓子の作り方を教えていただいたみたいです。昔はパンも作っていたようですよ」

「大量生産できるものとなると機械に頼らざるを得ないのですが、風味などの微妙なニュアンスは、やはり機械ではできない。微妙な作業工程は手作業で行っています。

変わらず維持することは大変なことだが、お客様の「昔から味が変わらないね」の一言があるからまた頑張れる、土井さんはそう語る。その味を求めてお客さんは塩竈のお店にやって来るわけだ。「塩竈には他にも美味しいものがいっぱいありますが、やっぱり味が変わってしまうと、がっかりされてしまうんですよね。父ともそこだけは守ろう、と話しているんです」

塩竈で生きてきたからこそ、塩竈のために力になりたい。

土井精菓しかし、そんな中でも新しい味への挑戦はしていかなくてはならない。塩竈の原点でもある藻塩をつかった薄焼きの焼き菓子を完成することができました。「一緒に塩竈を盛り上げていくために、いろいろ考えていて、塩竈のいろいろなイベントに参加して思うことですが、塩竈がひとつになれるアイテムが、塩ですからね。しかも、塩は1年通して必要で、夏は塩分を多く摂るようにとか、塩はやっぱりすごいなぁ、と思うんです。塩竈という地名で、塩竈の塩ということで藻塩があって、自分も塩竈に住んでいることがうれしいし、塩の重要性を感じます。誇りに思って使っていきたいなぁと思っています。

定番のコーヒーロールだけじゃない、季節の味も充実。

土井精菓さて、土井精菓のおすすめは定番のコーヒーロール。創業当時と変わらぬ味で、あの松任谷由実さんも絶賛したという存在感のある味です。そして、レモンパイはバターの風味と食感を大切に焼きあげたパイ生地に甘酸っぱいレモンクリーム、その上に新鮮なメレンゲがのっている。午後には品薄になるほどの人気だ。

「しとりのあるカステラやキャラメルパイ、ベリーのパイも年間を通して人気がありますし、季節的には夏限定でフルーツゼリーとみつ豆、秋から冬にかけてマロンパイ、パンプキンプリン、アップルパイ、生チョコレートも寒い時期にあわせて仕込んでいます。お菓子で季節をより一層楽しんでいただきたいです。

あと、焼き菓子も力を入れています。マドレーヌやマカロン、パウンドケーキ、クッキーなど、けっこう種類豊富に取りそろえています。また、珍しいとよく言われるのですが、3月3日だけ、いちごのショートケーキを販売しているんですよ」これは、耳寄りな情報!「その日に作ってその日にお渡しするというやりとりをしているんです。出来立ての生クリームの味といちごの新鮮さを味わっていただきたくて、これも創業以来続けているんですよ」

“こころ”でつくるから、たくさんの人に愛される味になる。

土井精菓ちなみに、お気づきだろうか、土井精菓の「精」の字は、「製」ではない。この一文字にこそお店のこだわりが表現されている。「私の祖父(七郎)の仕事は大工でした。その祖父がつねづね“つくるときには、気持ちが大切だよ”と言っていたんです。何でもそうだとは思うのですが、心を込めると、できたものも変わってくる。

「製造」する時に、そこに「精神」つまり“こころ”を込めるように、ということなんですね」と、ご主人はそう話しながら、店の看板を見上げた。

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    焼き菓子にもチカラを入れてます

 

SHOP INFO.

  • 店名:土井精菓
  • 住所:塩竈市佐浦町1-11(元の店舗は駐車場になっております)
  • 電話:022-366-1555
  • 営業時間:8:30~ 品切れ次第、閉店
  • 定休日:日曜

Text:落合次郎 Photo:大江玲司 取材日:2012年1月11日(更新2017年5月)