ケトル

本塩釜駅前のベーカリー「ロティエナ」でパン職人として働きはじめた吉田千恵さんを取材したのが昨年の夏。その時「デリバリーカフェをやりたい」という更なる夢を語っていた彼女。そして、このほど、その夢に一歩近づくステップを踏み出した吉田さんに、これまでのこと、そしてこれからのことを聞いてみた。

なんで塩竈に帰ってきたのか、その思いを改めて考えてみた

ケトル震災後、パン職人を目指して生まれ育った塩竈に戻ってきた吉田千恵さん。愛着のある地元で働き始めて1年が過ぎた。「もともとパン職人になるという夢を持っていましたが、この一年「ロティエナ」さんで働かせていただいて、まだまだ自分が思い描く夢には程遠いなって感じたんです。

パンを焼く技術やセンスは満足しているのですが、成型が難しいんです。センス無いなぁって(笑)。そういうことを考えていたときに、本当の自分のやりたいこと、何で塩竈に帰ってきたんだろうってことを思い出したんですよね

母親がやりたいと思っていたことと、自分のやりたいことがマッチした。

ケトル吉田さんの母親はもともと学校給食の仕事をしていたそうで、そういう母親の後姿を見て彼女は育った。「今、母親は現場から離れ、教育委員会で働いていますが、彼女自身はもっと現場で子供たちと触れ合って食育にかかわる仕事をしていきたいと考えていると思うんです。

それを二人で話している時に、母親も、『やっぱり自分のやりたいことをやりたいなぁ』って。で、震災の時も母は食に関する仕事はできなくて、今もできていなくて。で、「いっそのこと、やっちゃおっか!」と母がふざけて言って。(笑)

母の夢は食堂だったんです。二人で叶えられる夢が食堂だったんです。なので、お母さんの夢だったお惣菜屋さんを、この街でやっていくということが叶えられる。今、ここで、何が出来るんだろうと考えた時に、この場所で、料理が好きでということの延長線上で辿り着いたことなんですね」

若いお母さんと子どもたちのために、野菜を使ったおいしいメニューを揃えました。

ケトル『Kettle』がオープンしてから、6ヶ月経った(2012年5月22日オープン)。「まずは、ここが原っぱだったところからのスタート。材料を入れて、どんなお店にしていくかなど、お店づくりのところからもう行き詰っていましたね(笑)」なにせ、何もかもが一からのスタート。もう限界だ、と何度も挫折しかけたそうだ。しかし、家族の支えや友人のアドバイスなどに支えられ、出店までなんとかこぎつけた。

「この場所は新しい住宅地が多くて、若いお母さんたちも増えています。そういう方たちが喜ぶお店にしたいなと思っています。また、ご年配の方々にも親しんでもらえるようなメニューも合わせて考えています。私は若いお母さんたちをメインにしたメニュー作りをしているのですが、働くお母さんのことを一番に考えて作っています。

働いて帰ってきてご飯をつくるのって本当に大変。成長期の子どものために、なにか作んなきゃいけない、って気持ちはありますが、疲れてしまってスーパーのお惣菜に頼る。でも、なんとなく罪悪感も感じる。そういう人たちのために、食卓にもう1品、鮮やかなもので、野菜嫌いのお子さんたちに向けた惣菜が作れたらいいなって思っています」。

塩竈でやっていきたいこと、挑戦したいこと、いろいろありすぎるてこまっちゃう(笑)

ケトル「今後は、イベントみたいなこともをやりたいです。青果市場を巻き込んでの朝市なんかやりたいですね」それが、まず吉田さんがチャレンジしたいことだ。また、母親の経験を生かして、食育を広めるために、収穫から食卓までのルートを考えるワークショップも予定しているそうだ。

さらに、吉田さんの夢はとどまることなく続く。「この店は、小さいので2~3人くらいしか入らないんですけど、お店の中で食べても大丈夫。気軽に食べていってほしいです。でも、お客さんからはもっとカフェ的なゆっくりできるような感じで食べたいというリクエストがあるので、それはこれからの課題というか目標にしておきます。

あとは、“デリバリーカフェ”の夢はまだ達成していないんですよね(笑)。わたしは、外に出歩きたいほうなので、お店は若い子にまかせて、自分はデリバリーカフェをやる、っていうのが夢ですね。それがKettle2号店かな~。(笑)できたらいいですね」

text:落合次郎 photo:大江玲司 取材日:2012年11月12日

プロフィール

ケトル
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  • delicatessen kettle(デリカテッセン ケトル)/吉田千恵さん
  • デリカテッセン「ケトル」では、季節にあわせたお惣菜を10品ほどご用意。塩竈育ちの採れたて野菜を使っています。パーティー料理やお弁当など、お好みに合わせたお料理もお作りします。お気軽にご相談ください。また、祝日限定のサンドイッチはお出かけにぴったり。休日のピクニックにどうぞ。
  • 住所:宮城県塩竈市西玉川町7-42 【マップを見る
  • TEL/FAX:022-355-6978
  • 駐車場:あり
  • アクセス:JR東北本線「塩釜駅」より徒歩12分
  • 営業時間:11:30-13:00【昼】/16:00-18:30【夜】
  • 営業日 :月、水、金曜日
  • メニュー:野菜たっぷりなお惣菜(一品200円~500円程度)
         ランチBOX(600円~)
         季節のイベントごとのメニューもご用意しています

店内のようす

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